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執筆者の写真Koichi Tsuji

Appsheet で何が出来るの?



『APPSHEETを使ってどんなアプリが制作できるのであろうか?』


こんなご質問への答え、QUICK ANSWERとしましては『業務系のアプリであれば何でも作成出来ます。』となりますが、これでは答えになっていない、具体的なイメージが沸かないかもしれませんので、ここで、実際にアップシートがどのような場所で、どのように利用されているのかについてお話させていただきます。


まず、アップシートには数々の「サンプル」アプリが容易されており、これらをコピーしてベースのアプリとし、みなさんの業務にフィットするようにカスタマイズを加えていく手法があります。例えば、在庫管理をサポートするアプリが欲しいので、INVENTORY APPのサンプルをコピー。


ただし、これはアプリ作成の第一歩としての単なるオプションであり、例えば、現在、お手元で日々更新されているエクセルの管理資料用のスプレッドシートをベースとし、これらのスプレッドシートをアプリに読み込ませ、制作を開始するという手法も。アプリ作成のスタートポイントはいくつかありますが、私の場合は後者のケースが多いと思います。

ただし、管理資料のスプレッドシートがない場合でも、まず、GOOGLE SPREADSHEET上で適当なシートを複数作成。メインとなるテーブルに加え、後の分析、アプリの機能拡張に備え、『マスターテーブル』も同時に作成し、読み込ませます。


アクセス等のDBアプリを操作した方やデータベースになれた方であればマスターテーブルの重要性については十分に理解されていらっしゃるかと思います。


これらのシートを読み込ませたら、後はそれぞれのフィールドが適当なデータタイプに設定されているか?を確認。必要に応じて修正。たとえば、日付のデータであれば「Date」タイプを選択等々。テストを重ねる中で足りないFIELDが確認されれば、スプレッドシートにカラムを追加し、再読み込み。


また、マスターテーブルとそれぞれの関係するテーブル・カラム間のref設定をするだけで、RDBと全く同じ機能を備えたアプリを瞬時に作成することができます。

超雑な説明をさせていただきますと、『超高機能のMS ACCESSみたいなWEB / MOBILEアプリ』が瞬時に出来てしまうということです。従来であれば、FRONT/BACK ENDのそれぞれの開発担当がそれぞれのパートを担当。それぞれの仕組みを構築し、アプリに仕立てる。こんなことも必要なく、APPSHEETのEDITOR上でバックエンドの仕組みも簡単に構築出来てしまうという夢のようなツールです。


本題に移りますが、では、APPSHEETは現在、どのような場面、機会に利用されているのでしょうか?APPSHEETのHPや彼らのブログにも紹介されていますが、利用者の業界・業務に特定のルールや傾向はなく様々な場面で利用されています。


但し、アップシートはマルチデバイス対応。作成と同時にすべての端末で利用可能で、携帯端末でもすべての機能にアクセスできることも利点の一つです。従い、事務を行うバックオフィスではなく、「現場」で広く活用されているように思えます。


例えば、建設現場。数々ある工程やタスクの管理。また、現場での状況を日々把握するためのレポート・日報の作成。資産管理を行う不動産、管理会社では、当然これらのフィールドワークがメインの業務となってくるため、対象の資産・アセットを問わず、日々のインスペクションレポートやチェックリストの作成に。

携帯の電波やwifiが届かない厳しい環境であってもアップシートはoff lineでも動作することからこのような現場でも活躍しています。

また、倉庫業や仕入販売を行う業者さんも、インベントリー管理用のアプリを作成。在庫管理に留まらず、仕入先への発注。請求書の作成、発行、送付。アプリデータを自由にフォーマットに落とし込み文書化する技術に優れているアップシートの得意分野でもあります。ちまたには、mail mergeといわれるデータからテンプレートにデータを落とし込み、pdfを作成するようなサービスも有料で提供されていますが、アップシートはこれらのサービスも標準機能として利用できることもセールスポイントです。


これらの所謂「フィールドワーク」に限定されず例えば、観光情報の提供を目的にした不特定多数向けのアプリ。社内文書を共有、閲覧するための文書管理アプリ。アップシートには、pdf, excel, word, mp3, mp4 など、様々な形式のファイルをUploadする機能もあることからGoogle Drive やOne Drive などのクラウド上にファイルを保存、アプリ上で表示することでこういった文書管理的なツールとしても利用できます。


日本では、ACTIVEなアップシートのユーザーは多くありませんが、そんな中でCOMMUNITYでも活発に活動する日本在住の方がいらっしゃいます。彼は日本で英語教師として活動。生徒に向けた単語学習用のアプリを作成し、展開したりされています。


業務、業界を問わず様々なデータが日々更新・管理されていますが、それらのデータはエクセル打ち込み、もしくは文書で届くデータをエクセルに打ち込みなおす、といった形で進められていることが多いと思います。エクセルは便利であることに間違いはありませんが、後の別の用途に利用できるいわゆる「クリーンデータ」として管理するためには、それなりのトリックが必要です。従い、エクセルのデータは基本「ダーティー」なデータで二次利用には、クリーニング作業が必要とまたまた追加の業務が発生してしまうことがつきもの。もしくは汚すぎて、せっかく作っているデータなのに、二次利用が不可というケースも多いでしょう。


アップシートはこれらのデータをすべて瞬時に解決してくれます。


例えば、EXCEL ONLINEでファイルを共有。GOOGLE SHEETといったオンラインスプレッドシートでも構いません。ただし、共有・共著という目的は達成できても、例えば、ファイルを立ち上げるのに時間がかかる。(特にファイルの容量が大きい場合など)

このシートをアップシートを使い、アプリ化したらどうでしょう?

クリーンデータとするために、極力ユーザーによる任意のデータ入力を避けるために、DROPDOWNからリストを選択し、入力する。データの一貫性が保てます。

オフィス外から用意にアクセス。携帯からも操作可能。在宅勤務への取り組みも支援してくれることでしょう。


アップシートで何が出来るのか? これを知るためには、まずアップシートで実現可能なことを広く理解する必要がありますが、過去3年にわたるアップシートを利用しての開発の現場にて「できなかったことの方が少ない」というのが私の感想です。味方を変えれば、あなたが「こんなことやりたいな。」とアプリに期待する機能は基本、実現可能ということです。


前述の通り、アップシートの活用に当たり、その機能を広く理解いただく必要はありますが、これらは徐々に理解していくことで十分で、まずは「やりたいこと、実現したいこと」を明確にし、それらを実現するために準備された数々の機能から必要なものをピックアップ、実装していくといった逆引きの作業でも貴方好みのアプリを作成することも可能と思います。


結論となりますが、「アップシートで何が出来る?」という質問に対する正しい答えにはなっていないかもしませんが、「何が出来る?」という視点より、より重要なことは「具体的に何がしたいか?」です。


アップシートのアプリクリエーターという立場で多くの方々と日々お話をさせていただいておりますが、この「何を実現したいのか?」。この点が曖昧なケースも正直散見されます。

夢がないかぎり、物事は実現しません。アプリ制作においても全く同じと思います。


アプリ制作という作業の前作業として、「具体的に何が問題で、その問題をいかに制服するか?」「具体的にこんなアプリを作成しよう」というロードマップを描いてみてください。ただし、従来の開発のように「ウォーターフォール」的な開発のように工程表や機能表に落とし込む必要は全くありません。時間の無駄となります。自らの頭の中にアプリで実現したいこと、の具体的内容がイメージ出来ていればそれで充分です。


アップシートは超短期間、英語を借りればアジャイルな開発を実現します。当初想定していたストーリも実際にサンプル・プロトタイプを作成し、使ってみたら思った通りの効果が出ない。その時点で方向修正。機能変更。


アプリの完成形のイメージが整ったら、すぐにアップシートのエディターを立ち上げ、作業に入りましょう。先人は良く言いましたが、「習うより慣れろ。」 ご尤もと思います。先人たちの教えに感謝。合唱。












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